ウィスラー。スノボをやってみる。
ニューヨークから3時間のフライトを経て、深夜の一時、世界一周旅行最後の訪問地、カナダのバンクーバーへ到着した。
日が昇るまで空港内のベンチで横になっていた。
外の明るさを感じて目をやってみると、とんでもない吹雪になっている。
クレジットカードと最後の航空券を公衆電話に置き忘れるという大チョンボをやらかすも、やさしきカナダ人たちはきちんとインフォメーションに届けてくれていた。
市街地に向かうバスで、1人の日本人と知り合った。
Zさんは同い年の男性で、海外旅行の経験はほとんどないものの、それまで勤めていた会計士の仕事をやめ、カナダへ1年間のワーキングホリデーに訪れたのだという。
自分もちょうど1年前はほとんど外国へ行った事がなく、旅の最期に旅の始めの人と出会えるとは、なんとも面白いものだと思った。
Zさんはすでにホステルを予約しており、そこへ寄ってみると空きのベッドがあったので入ることにした。
カナダを訪れた理由は、スノーボードだった。
普通に滑れるだけだけど、「俺、ウィスラー滑っちゃたよ。」などと調子こいたことが言いたいためだけに来たようなもんであった。
街中にはウインタースポーツショップが軒を連ねていて、Zさんと一軒ずつ見て周り、ボードとバインディングを4万円で手に入れる。
なかなかかっこいい(と思ってる)ボードを手に入れたが、この時点でカナダドルは1ドル80円くらいだった。
少し前までは100円越えていたらしいから、まあまあ安く済んだ。
バンクーバーの鉄道駅から、長距離バスもたくさん出ていて、早朝のそれに乗ってウィスラーへ向かった。
2時間ほどでバンクーバーから着く。
バスの窓から見える景色が素晴らしい。山々の雪化粧にマッチしたような建物が多くて、調和が取れている。
ウィスラーは、今度行われる冬季オリンピックの会場になることもあって、かなり賑わっていた。
欧米人に混じって韓国や日本、中国など、東洋人の姿も多く見受けられる。
みな大体は複数人で、一人の身はなんだか物悲しく感じる。
実際、まず宿が見つからない。部屋代を割れる相手もいないので、どうしてもドミトリーを探すことになるのだが、どこも3000円以上と高いうえに、埋まっている。
やっと見つけたのはウィスラーから2キロほど南下した村のなかだった。
肝心の山はというと、さすが世界に名高いウィスラー。馬鹿でかい。雪質も悪くない。
隣にはブラックコムというこれまた馬鹿でかい山があって、とてもじゃないけど2,3日じゃあ滑りきることはできない。
レストハウスは物凄い人で賑わっている。そこで一人寂しくピザを食べる。
クローズは15時30分と早めだ。それでリフト券が94ドルもする。7500円くらいか。
予約したホステルのベッドは、ベッドというか押入れに布団が敷いてあるのみの、簡潔すぎるつくり。
周りには全く売店もなく、仕方なく宿内に設置されている自販機で、インスタントラーメンを2袋買って、具なしで食べた。
次の日も朝から滑った。もう一泊する予定だったのだが、なんだかもういいや、となってしまい、バンクーバーへ帰ってしまった。
やはり一人は、、、、寂しいもんがあるなあ。