宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

イースター島。車を借りてまわってみる2。




 15体のモアイを越えてさらに海岸沿いを走らすと、突然ビーチが現れる。

 ゴツゴツした岩場ばかりなのに、そこだけ南国のようなビーチになる。
 ビーチに背を向けるようにモアイがたっていて、その目の前で現地の人々が儀式のようなものをやっている。
 どうやら結婚式のよう。半裸にタトゥーの兄ちゃんたちがダンスを披露したり、ラパヌイ語で歌を歌っている。
 新郎新婦も幸せそうに、伊勢海老を親族で回し食いしている。日本酒回し飲みみたいなものか。
 
 そこで簡単な昼食をとった後、折り返しの道を行った。
 島の中心部を爆走する。
 傾斜の緩やかな山に森が広がっている。
 イースター島にある日本食レストランで観たビデオで、子供らが植林しているシーンがあった。まだまだ島に緑は少ないが、少しずつ増やしてゆこうと努力が続けられているようだ。
 限られた資源を考えずに搾取してゆくとどういう結果になるのか、、、イースター島は地球の縮図だ。と、ビデオで中田が言っていた。
 うまいこと言うね。

 途中からガタンガタンのオフロードをつき進む。
 運転手Tさんは久々のミッションに興奮気味。オフロードをドリフトする。助手席から横顔をチラ見すると半笑いだった。

 後半になると、かなりモアイに飽きてくる。
 贅沢な話ではないか。
 7体のモアイにたどり着いたころには、みんなすでに写真を撮ることすらしない。あまつさえ車から降りようとしない者もいる。
 冷めたものである。
 コメントも冷め始めている。

 「七体あるね、、、、。」
 「うん、、、、。」
 「モアイやね。」
 「うん。じゃあ行こうか。」

 冷めた気持ちを引きずりながら近くの洞窟へ行った。
 自然にできたものなのか、草むらに大穴が開いていて、そこから奥へ進んでゆくことができる。
 なんでも奥は1キロメートルほどあるのだとか。
 みんなで懐中電灯片手に奥へ進んでみるが、本当に暗い。先はなあんにも見えない。
 途中で電池が切れたらどうする?と臆病風に吹かれ早々と撤収。

 宿の近くまで戻り、そこから火山口のある山を車で登る。
 火口は馬鹿でかく、迫力がある。
 今は死んでいるのだろう、水が張っている。
 
 そしてこの日の締めは「めん玉のあるモアイで夕日」。
 が、残念ながら曇っていてよく見えず。
 それにしてもモアイにめん玉があるのはちょっと違和感がある。
 日本で見かけるモアイはみんなめん玉ない奴だ。
 目があるほうが本家らしいんだけど。
 
 次の日は朝5時起き。15体のモアイの所まで車を走らせ、朝日を見る魂胆。
 早朝3時ごろに雨が降っていたのでどうなることかと思ったが、何とか雲間から朝日が顔を出してくれた。
 ありがたや。
 日本人はやっぱり朝日好きよね。 
 
写真1  結婚式と見つめるモアイ。
写真2  めん玉のモアイ。
写真3  朝日に浮かぶモアイ。