宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

ジブラルタル海峡を越える。




ジブラルタル海峡小波が立っていた。
ロッコからスペインへ向かうフェリーは思いのほか揺れが激しく、手に持ったコーヒーカップの中身も大揺れだった。
手すりにつかまりながら席に戻り、窓の外から海を眺めた。
すぐ近くをイルカが気持ち良さそうに泳いでいる。
横ではモロッコ人のおばさんが嗚咽の声をあげている。
イルカにはこの波は気持ち良いものなのか、小馬鹿にするように近づき、離れていった。

サハラ砂漠を見たあと、夜行バスでフェズに向かった。
世界遺産にもなっている、迷路のように巨大な旧市街をみるためであった。
城壁をくぐると古めかしい、背の低い建物が無秩序に並んでいる。
そこは丘のうえで、下りながらもびっしりと建物は並んでいる。
そこはまさに迷路。

染色工房が有名で、歩いているとそこへ連れていこうとする自称ガイドモロッコ人たちのしつこい攻勢にあう。
土産物屋に入るとまくし立てるように商品説明が始まり、帰ろうとすると若い男が入り口に立ふさがる。
とにかく強引でうっとおしい。
さらに若い奴等は東洋人と見るやガチャガチャとやかましい。
ああうっとおしい。

ロッコは雨季に入っていて、ここのところ毎日雨で、このしつこい連中にほとほと疲れてしまった。
これは聞いた話なのだが、モロッコが植民地支配を受けていた時に、さらに下等な人種が、中国人はじめ、東洋人なのだということを教えられたらしい。どこまで本当なのかはわからないが。
しかしそれがうなずけてしまうくらい、小馬鹿にしてくるモロッコ人は多く、途中であった日本人や韓国人は憤慨していることが多かった。

といっても、おそらくこの手のうっとおしさは、バリバリの観光地に限られるように思う。
これも聞いた話だが、観光客を一発ぼってしまえば、それだけで収入の何倍にもなるらしい。だから宿での、スタッフによる泥棒も多い。
際逆の立場だったら、俺もモラルを保てていられるのか、考えてしまう。

フェズの場合、新市街にはそういった空気も少なく、快適だった。
もひとつ馴染めないという訳で、到着した次の日にはすぐにフェズをたち、スペインとの連絡フェリーのあるタンジェへむかった。

、、、、。

ここも酷かった。

特にタンジェはスペインから日帰りで行き来できるため、ヨーロッパ旅行で訪れる人が多い。
カモが多い。つまりぼってくるやつも多いということだ。
タンジェで詐欺に合った日本人や欧米人の話も聞いてはいたが。
港町自体は旧市街とまざり合ったなかなか雰囲気のよい所だったが、しつこく付まとったりする輩に吠えたりと、やはり疲れた。

ロッコ人、、、。良い人も多いだけに、残念なことである。
やはりモロッコはじっくり時間を取ってまわらなければいけないなと感じた。