宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

カイロ。ピラミッドより人間のほうが、面白い。




 さてエジプトなんだが、ここがまた非常に良く分からない。
 ヨルダンのアカバから出るフェリーは、この間料金が値上げになり、40ドルから80ドルへ。そして余裕の10時間遅れ。
 船中ではエジプト人が執拗にしゃべりかけてくれるが、すべてアラビア語。1、2、3も分からない。
 敬虔なムスリムの兄ちゃんから教えを受け、言葉を復唱させられると
 「これで君もムスリムだ!」
 俺の買ったポテトチップスを6歳くらいのガキがパクッてゆき、目の前で家族6人で食い始める。
 かと思えば、マットをしいてお祈りを始める。
 親切そうに近づいてきてお茶を飲ませてくれたと思ったら、
 「俺のためにタバコを買え。」

 観光料はかなり高い。
 博物館のミイラ見るので2000円。
 行きたい所合計して23000円かかる。
 入場料が半額になり、今後もおおいに使える国際学生証の不正取得(いけません。すいません。)を試み、大人として恥ずかしいだまされ方をする。

 人の強引さはインド以上。
 そしてうっとうしさと、フレンドリーさも一級品。
 隣国ヨルダンの人々に見られたような紳士さは消し飛んだ。

 人々の喜捨の精神もまた驚きである。
 そういえばムスリムの兄ちゃんも言っていた。
 「君はリッチメン。だから貧乏人にあげてください。」
 アホか。
 旅行でけへんようになってまうやろうが。
 言いたいことは分からんでもないけど。
 彼が言うには、
 「私たちが出会ったのも、今ジュースを飲めているのも、車のエンジンがかかるのも、電気がつくのも、すべてアッラーのおかげなのです。ほかの宗教はすべて偽者なのです。だからあなたもムスリムになって、貧乏な人に与えて、人々に教えを説いて、極楽へいけるのです。」
 マジなんだな、これが。
 ここまで言い切っている人にあったのも初めてだった。
 彼は親切で、いろいろ教えてくれた。
 しかしほかの宗教をいっさい認めようとしなかった。

 あの有名なギザのピラミッド。
 ええ、行きましたよ。
 でか。そしてスフィンクスちっちゃ。
 それくらい。
 次々デラックスバスで運ばれてくる観光客を眺める方が面白かった。

 エジプトはよくわからん。だからなかなか面白い。

写真1  紅海。めっちゃくちゃ綺麗な海。
写真2  カイロ。カメラになぜか馬が飛び込んだ。
写真3  ピラミッドとスフィンクスと観光客とおっさん。