バラナシ。シタールとタブラー。
河を見ていて飽きないということは、やっぱりガンガーには不思議な魅力があるのだろう。
早朝のすずしい間に眺め、夕暮れ時の騒がしい時に眺め、礼拝のプージャをまえに眺め、夜静かになってから眺める。
バラナシの外国人は圧倒的に東洋人が多い。
日本人と韓国人が占める。
東洋のこの2国の旅人達がここに集まるのにも、ヒンドゥーと仏教の関わりや思想などからも無関係ではないと思う。
日本に居た時に「輪廻、転生」とかいう単語はしょっちゅう耳にしたけれど、ガンガーを見ているとその単語がごく身近なもののように感じるのだ。
そして僕の実家はいま奈良県にある。インド、ネパール地域から発祥した思想が、流れ流れて極東日本の奈良に、確かにたどり着いたということを、おぼろげながら実感できるのだ。
バラナシは混沌とした町だった。人間のるつぼだった。
この情景にすばらしくマッチする音楽を聴いた。
シタールとタブラーである。
シタールは弦が10本位あるギターみたいなので、魔法のように色んな音を出す。タブラーは独特な重低音と軽快さを併せ持った二つ仕様の太鼓だ。(この辺の楽器についてはまだ詳しく調べてませんので、違う点もあるかもしれません)
この二つの楽器のセッションライブがあるということで、旅仲間4人と聴きにいった。
50ルピーで、狭いステージ。お客は僕ら日本人5人。若者がティーシャツ姿で2人いて、20分ほど待つと衣装に着替え、楽器を手にステージへ上がった。
あまりに簡素なライブに期待はするまいと思ったが、実際聞いてみると。
これがすこぶる良かった。
シタールのゆったりとした演奏から始まる。演奏者は右指5本をフルで使い、ひとつの楽器からとは思えないような音色を奏でる。10分程経った頃からようやくタブラーの音が入る。「ドゥン」という、耳慣れない音が心地よい。
ビートは次第に早くなり、最高潮で再びゆっくりとなる。その呼吸の合わせ方がかっこいい。
汗ばむ暑さも、インドでこの民族音楽を心地よく聴くための要素になる。
側面にかかる、安そうなガネーシャの絵も、やけに音とマッチしていた。
演奏者の2人は、ティーシャツ姿のときとは全く違う姿を見せる。
演奏は1時間ほどであったが、かなりの満足感を得る事が出来た。
うーーむ。かっこいい。これ日本で聴くと、感じ変わると思う。
バラナシでは河見てるだけで何だか充足感があった。
これからいったんネパールへむかう。
今は雨季で、ヒマラヤの山々が見えるかは微妙ではあるけど。
写真1枚目 靴修理のおっさん。
写真2枚目 ライブの様子。右がシタール、左がタブラー。
写真3枚目 部屋の隣にいるサル。結構凶暴。