宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

インド、ムンバイから始まる。



飛行機はムンバイの夜景きらめく建物の上をすれすれで飛んで着陸した。
着きました。インド、ムンバイ。
バンコクから4時間、こちらはすでに夜8時をまわっていた。降り立ち、乗客の顔がみんな「インド」であることを確認して、インドであると確認した。それまでの国はどことなく近いものを感じることができる。たとえば顔。東南アジアには中華系の顔立ちが多い。それに食もちかい。しかしインドになると、顔立ちがまず違う。鼻が高くなり、肌は黒い。服装もサリーが目につく。一気に異国情緒を感じるのだ。
空港の外は暗くて、特に客引きがうるさいわけではない。道を尋ねてもみな親切に教えてくれた。
町の中心部まで、プリペイドタクシーというやつを使って移動。360ルピー。なぜか疲れがたまっている。頭が朦朧としているなかで、車の中から外を眺めた。整然とした印象。どことなく上海をみているような印象だ。おもちゃのようなタクシーは、かの有名なインドの車メーカーのヤツだろうか。カタカタいいながら走る。
 ここムンバイは、インドの中でもとりわけインド的でないといわれているようだ。その理由はまだほかの都市を見ていないのではっきりとはいえないが、16世紀にポルトガルが進出して以来、町は発展と遂げたらしい。開発のために世界中から人が集まってきたために、コスモポリタンを作り出した。
 そのため、デリーやコルカタといったかの有名なインド的なところとは様相が違うのかもしれない。
 タクシーのおっさんは普通に指定したタージマハールホテルの前で停めてくれて、安いところを探してるというと、その周辺まで行ってくれ、降ろしてくれた。
 
 全体的にホテルはものすごく高い。歩き方に載ってるやつは、安いホテルでもシングル1200円はする。高いのになると、日本より値は張るだろう。ちなみに1ルピー2.8円くらい。
 あまりにも疲れていたので、一泊目は800ルピーのファン、シャワー、トイレつきのツインに泊まった。夜10時を越えていた上に、頭がくらくらしていて、探す余裕がなかった。「ヘイフレンド!」といううさんくささ全開のおっちゃんと握手して、その部屋へ泊まった。シャワーを浴びて、すぐに眠ってしまった。
 
 カラスの鳴き声で目を覚まし、アメリカンチックなカフェで朝飯。チェックアウトしてサルベーションアーミーという安宿のドミトリーに移った。朝食つきで150ルピー。
 中生地のむき出しになったベッドの上にはなぜかカビの生えたバナナが。つまみ上げていると後ろのベッドの若いイギリス人男性が、「君にプレゼントだよ。」と笑いかけてきた。みな上半身裸で、ぐったりしている。日本人は今のところ見かけてない。「アニョハセヨー」としゃべりかけてくるインド人が多いから、韓国人が多いのだろう。昔、電波少年という番組の猿岩石が、貧乏旅の企画で有名になったが、同じような番組が韓国でもはやって、韓国の若者がインドに大挙して押し寄せてきているらしい。
 まずはじっくり、ここからの旅を楽しんでゆくつもりだ。