宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

【スタッフのコラム】奈良ヘルパー生活2

 寒い日々が続いております。

さて今回もヘルパーのチーターによるブログ、第2話です。

 


 

 実家から離れて暮らしている。

そう伝えると、ほとんどの人が「じゃあ一人暮らしなんだね!」と返してくれる。確かに部分的にはそう言っても差し支えないのだけれども、正確には一人暮らしではない。

 

「ゲストハウスで働きながら暮らす」

ここからしばらくは、このテーマで書いていければなと思います。大きなテーマなので何回かに分けてお届けできたらと。

 

まずは最初に、ヘルパーの一日の生活について。みんながみんなそうだというわけではないけれど、私はこんな暮らしをしています。

 

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ぴぴぴぴ…

7時半に起床する。

リビングや廊下の電気と石油ヒーターをつけて、部屋を暖める。

その次には、外の落ち葉の掃き掃除をして、洗面台を拭く。朝いちばんに掃除をするのは、精神衛生上とてもよい。そんな作業をするうちに、ようやく身体が起きてくる。

そしてコーヒーを淹れる。挽きたての豆で淹れた少し薄めのコーヒーはさっぱりしていて、朝の起き抜けの舌によく合う。ゲストハウスの仕事の中でも、一番好きな作業のひとつ。

そうしているうちにオーナーがやってくる。ヘルパーの朝の仕事は30分間、8時にはオーナーに引き継ぎをする。淹れたてのコーヒーをオーナーのもとへ運んで、少しの間雑談するのが日々の日課

 

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引継ぎをした8時以降は、自由な時間。

修士論文が忙しかったときには、引継ぎをしてからすぐに大学に行って、晩まで研究室に籠ることもざらだった。だけれど最近は、のんびり読書したり、春からの入社のための資料を作ったり、とリビングで過ごすことも多くある。

 

リビングやキッチンにやってきたゲストの方には、「よく眠れましたか?」と聞くことにしている。ゲストハウスは、旅する方々の止まり木みたいな場だから、「よく寝れたよ」と答えてくれることは、スタッフとして素直に嬉しい。

 

お昼は買い物に出かけたり、図書館に行ったり、友達とお茶したり、自由に過ごす。

夕方ごろには、ゲストハウスに戻り、ごはんを食べる。最近は糖質オフの生活をしていて納豆と豆腐、鶏肉と野菜と卵という食べ合わせですべてが完結するので、料理はほとんどしていない。熱心に料理をしていたころは、作り置きのおかずでスタッフ用の冷蔵庫はいっぱいだった。今は、その代わりに、豆腐と納豆の買い置きが大量に入っている。

 

夜ご飯を食べたら、シャワーを浴びて、21時半にスタッフから引継ぎを受ける。ここから1時間半はお仕事の時間。この間には、ウェブから予約してきてくれたお客さんの確認だったり、お金の清算をしたり、ときには仕事そっちのけでお客さんとおしゃべりしたりすることもあったり。

 

そうして23時になったら、電気とヒーターを消して、自分も就寝の準備に入る。私の寝床は、ドミトリーのお部屋がある棟の端っこにある蔵の2階。準備してもらっている2段ベットの下の段で寝る。魔女の宅急便のキキが住んでるような屋根裏部屋のイメージに近くって、私はこの部屋がとても好きだ。

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これがヘルパーの一日。

だいたいの場合、毎日お客さんは入れ替わるので、新たな顔ぶれの方とのやりとりがある。国内からも国外からも、いろいろな文化をもった人たちとやりとりをすることは、とても新鮮で、奈良にいながら、いろんな場の文化に触れられる。

 

一人暮らしではないのよ。

じゃあ、何人暮らしなの?と言われても、うむむと押し黙るしかない。

大好きな奈良の土地に来てくれた旅人達と、一つ屋根の下で寝る。

ヘルパーの暮らしはそんな感じ。

 

 

旅先に奈良を選んでくれて、そして私たちのゲストハウスを選んでくれてありがたいなあ。止まり木として、お役に立てたかしら。

 

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尻切れトンボになってしまったけれども、今日はここまで。

おやすみなさい。