宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

【スタッフのコラム】奈良ヘルパー生活

みなさん!あけましておめでとうございます(笑)!

今年初のブログ更新です。

今回から数回にわたって、当宿で昨年4月から住み込みヘルパーをしてくれている田中さん(通称チーター)のコラムを掲載してゆきます。

スタッフ目線の奈良暮らしを感じてくださいませ~

 


 

f:id:Yuzanguesthouse:20180129085801j:plain

 「奈良で暮らしたい」

働き始めた動機は、いたってシンプルでした。

 

大学院に2年生に進学する春に、思い立ったように遊山ゲストハウスの扉をたたき、ヘルパーとして働くこととなりました。

 

****

記憶にある限りでは、奈良へ初めて足を運んだのは中学校2年生の遠足のとき。そのときは、奈良公園の鹿にお弁当をつつかれて、鹿って結構貪欲なんだなァ…と思った記憶がある。

 

そのときから、奈良の雰囲気が好きになりました。なにか特別に好きな観光地やお店があったというわけではないけれど、威張りすぎない自然体なこの土地の空気感がとても居心地がよかった。

 

大阪の高校に通っていた私は、学校が終わった放課後に、ときたま電車に乗って奈良に来ては、鹿にせんべいをやるようなことが何度かあった。

 

そうして、高校3年生のときの進路選択のときには、ひとえに「奈良に通いたい」という気持ちで、奈良の大学を受験した。そうして晴れて奈良の大学に合格し、憧れの土地に通うことに。

 

実家が大阪で、通学可能な範囲なので、大学4年間と大学院1年のときには、大阪から奈良まで電車で通う日々。その間にも、奈良への愛は積もるばかり。一方的に愛しているというよりも、土地との相性が本当によく、受け入れてもらっているような。

 

こういう感覚が強かったので、奈良での学生生活の最後の1年を開始するにあたって、「ここで暮らしたい」という欲求をもったのは、まったく不自然なことではなかった。

 

「授業が終われば、電車で大阪に戻ってしまうような生活ではなくて、夜も奈良の空気に包まれて寝たいし、朝起きるときも奈良の空気を吸いたい」

 

もう少し言語化するとこんな感じかな。

 

ここで立ち上がってくるのは、生活費の問題。それまでバイトで稼いだ金もすぐに泡となり消えてしまうような使い方しかしてこなかったので、貯蓄はすっからかん。いい大人なので両親からの金銭的な援助を受けることはできるだけ避けたかったので、なんとかして生活費を最小限に抑えながらも、奈良で暮らす方法を考えていた。

 

そんなときにふと思い出したのが、以前旅先で泊まったゲストハウスのこと。そこには、住み込みのお手伝いさんがいらっしゃり、仕事をしながらも、その場で暮らしていた。

 

これだ、ゲストハウスだ、と。私が、生活費を最小限に抑えながらも奈良で暮らす道はこれしかない。そう思った。近鉄奈良付近には、ゲストハウスがさまざまにあるけれども、数あるゲストハウスさんの中で、住み込みヘルパーさんを募集していて、学業との掛け持ちを許してくれるゲストハウスがこちらの遊山だった。

 

働くにあたり、もうひとつ問題だと思っていたのは言語の問題。奈良は観光地なので、海外のお客さんがたくさん来られる。私は英語を話すことができない。英語を話すことはできないけれども、それでも雇ってくれるのだろうか…という不安があった。オーナーさんが「コミュニケーションをとる意欲さえあれば、英語は話せなくても大丈夫」と言ってくださった。もともと飲食店で接客業をしていたこともあったので、そのあたりで身につけたことを生かせるかもしれない。

 

生活費と語学の問題を解決したときに、ふと思ったのは、ゲストハウスで働くということは、奈良に関心をもってくださるお客さんとのやりとりがあるということで。奈良のたくさんの素敵なところを、お客さんと分かち合うことができる。これがとても楽しみだった。

 

こうして、大学院2年生の学年にあがると同時に、住み込みヘルパーとしてゲストハウスで働くことに。

 

「働きながら、学びながら、暮らす」

そんな奈良での生活が始まったのが、ほんの10ヶ月前のこと。

 

****

次の記事では、住み込みヘルパーとして、どんな生活を日々送っているのかについてお伝えできればと思います。ではでは、おやすみなさい。

 

チーター