最近のドミトリーについて。
こんにちは。
ちょっと最近のドミトリー事情についてブログを書いてみたいと思います。
ドミトリーの数がえらい増えてます。
私が開業した2010年で、およそ5軒のゲストハウス、ドミトリーが約60ベッドでした。
2017年現在で、ゲストハウスの数は27軒ほど、ドミトリーのベッドは500ほどに増えております。(ざっくりした数ですが、、、)
ドミトリーというのは、
「他人と同じ部屋で寝る」
「トイレもシャワーも共用である」
というのが当然の前提としてありまして、
「だからホテルの個室より安い価格で泊まれるんですよ!」
となるわけです。
つまり、ドミトリーは「価格」が最大の特徴になります。
もちろん、宿の内装や雰囲気、立地などによってもドミトリーが埋まるかどうかは変わってきます。
しかし、どれほど値段が安くても、キレイにベッドを整えていても、いい場所にあっても、「他の人と同じ部屋で一晩過ごす」という条件が一般的な旅行者にはハードルが高いです。
知り合った方との会話でも、
「えーー宿やってるんや!いいな~今度泊まりに行くわ!」
「ありがとう。でも、相部屋やで。」
「あ、ああ、、ちょっとそれは、、無理かな~」
となります。
あえてドミトリーを選ぶ、という方というのは、意外に少ないんじゃないかと思うのです。
そうなると、最大の違いの付け方は価格です。
2010年当時は2500円くらいが相場で、私も周りのゲストハウスさんを参考にしつつこの価格設定にしました。
そして2011年に東日本大震災が起こり、東北地方は大きな被害を受けました。
関西は地震や津波の被害もほとんどなく、全くもって贅沢をいえる状況ではなかったですが、外国人旅行者は激減しました。
そして2300円や2400円へと値下げをし、連泊割引などを作ってしのぎました。
2013年に入ると円安の効果もあり、外国人観光客も増え始めます。
2014年には「爆買い」のような言葉が生まれるような「訪日外国人激増」の状況がうまれます。
このころはドミトリーの価格も上昇傾向にありました。
私は京都のドミトリー価格を指標にしていたのですが、2012年ころまでは2200円くらいの価格だったお宿でも、3000円とか、祇園祭の時期は4000円とか、その価格をつけても宿が足りない、という異常な状況でした。
その状況は2015年でもあまり変わりません。
ちょうど個室のみの別館をオープンしたのですが、ものすごい稼働率をたたいてくれました。
本館もドミトリーはサクサク入るという状況が続きます。
そして需要と供給のアンバランスを埋める形で、保健所に許可を得ていない「民泊」が増えてゆきます。
風向きが変わり始めたのは2016年の秋ごろからでしょうか。
ぽつぽつ空室が出始めます。
そして現在、、、8月という、今まででしたら繁忙期に入る時期にドミトリー価格は低空飛行を続けています。
この記事を書いている8月7日の翌日、8月8日のドミトリーを調べてみると、奈良で1000円台のお宿は6軒、京都で16軒見つかりました。
8月で、、、えぐい、、これが真冬の1月とか2月になったらどうなるんだろう、、、。
と、ちょっと宿側からしたらえぐいことになっているのですが、旅人目線で見た場合、本当に一人旅しやすくなったな~と思います。みんな旅に出よう!
これから奈良や京都でゲストハウスを作りたい方は、収支計画の段階でドミトリーの価格設定と稼働率は想定される限り低く見積もって、それでも黒字がでるのか計算したほうがいいと思います。