宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

そしてイースター島へ!




 思ったよりも緑豊かなアンデス山脈を越えて、チリに入った。
 縦長のチリ。
 移動距離は長いのだが、この国も道路事情は非常によくて、バスは揺れも少なくスイスイ進んでゆく。
 到着したチリの首都サンティアゴはえれえ都会だった。
 ブエノスアイレスもそうだったけど、ほとんどヨーロッパ。
 繁華街はものすごい人の賑わいで、物の豊かさを感じさせる。
 広場では何の集会なのか、おばさんを中心に女性たちが音楽かけて踊っている。
 公園では学生たちが歌やダンスの練習をしていたり、サッカーや卓球をしていたり、思い思いに楽しんでいる。
 そこは当初持っていた南米のイメージとは程遠い都会だった。
 
 到着した次の日には飛行機に乗って、サンティアゴから3700キロ離れているイースター島を目指した。
 ワンワールドグループの世界一周券ではラン航空が加盟しているため、イースター島までのフライトを組み込むことができる。
 すごいね。
 
 不思議発見でしか見たことないような絶海の孤島に行けちまうんだから。
 もっともサンティアゴからでも400ドルほどで航空券は買えるのだけどね。

 イースター島なんて小さな島なんだから、プロペラ機みたいな小さなやつだろうと思っていたら、とんでもなかった。
 立派なジャンボジェット機で、エコノミークラスでも各席にビデオやゲームの付いたモニターが設けられている。
 機内食もきっちり出る。これはいい。
 フライト中の8時間のほとんどをテトリスに費やし、あっという間にイースター島に着いてしまった。
 こんなにあっさり?
 なんだかついにイースター島に来た!とかいう実感がない。
 
 飛行機を降りると小さな小さな空港のゲートをくぐる。
 出口では各宿の客引きたちがブースを出している。
 一緒に飛行機に乗り込んでいたほかの日本人たちと、最も安いミヒノワキャンプという所へ行くこととなった。
 その名のとおりキャンプ場。テント貸してもらって、そこで寝る。
 だからえらい安い。

 そのキャンプ場は海に面していて絶景だった。
 これ見よがしにキャンプ場に建てられているえせモアイを見たとき初めて、イースター島にやってきたんだという実感が沸々と沸いてきたのだった。