宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

コロニアル。ウルグアイ唯一の世界遺産をまわる。




[何もない]モンテビデオを後にして、バスで2時間、アルゼンチンの国境も近いコロニアル、デ、サクラメントへ向かった。
この街はポルトガル植民地時代に造られ、今もその面影を残している。その景観はウルグアイ唯一の世界遺産でもある。

ユースホステルでチェックインをしている際、後ろでアメリカ人ガイが、ホステルで働いているおばちゃんに不機嫌そうに英語でまくし立てている。
宿のおばちゃんたちは英語が全く話せない。アメリカンガイはそのことに明らかにイラついている様子だった。

これは自分の勝手な偏見だが、英語圏のこういう人間は自分の母国語が世界で最も優位であると思ってのことなのか、ゆっくり話す、とか、がんばって聞き取ろうとするという努力を放棄していることがままにあるように思う。
一方的にペラペーラペラペラペーラとまくし立てておきながら、
[なんですと??]
と聞き返すと
[なに。英語できないのオタク?]
という態度を取ったりする。
こういう輩はブッシュと同様、嫌いである。これは俺の偏見。
そしてそんな連中に分かってもらうために英語をこびへつらう様に学ぶのはうっとおしいというのは、英語の勉強が遅々として進まない自分への言い訳である。

海の向こうはブエノスアイレスである。船のチケットを買い、次の日に備え、世界遺産の地域を歩いた。
ちっちゃ!すぐ終わる。
それでも石だたみの道や、カラフルな石造りの家々、小ぢんまりと建つ灯台は、波の音が漂う静けさの中で時が止まっているかのような雰囲気を醸し出している。
日光はあいかわらず乱暴な暑さだが、一歩日陰に入ってしまえば、乾燥した涼しい風が体を冷やしてくれる。

突然静けさを打ち破るサンバのリズムが流れてきた。
リズムは街をゆっくりとまわっている。
公園のベンチから立ち上がり、道の向こうをのぞくと、街の人たちがリズムに合わせて腰をくねらせてステップを踏んでいる。
若い男女もいれば、老女も入る。
リズム感がよく、ノリノリで腰をふりまくっている。おそらく60過ぎであろう年齢を感じさせない。
サンバが終わると再び静けさを取り戻した。
売店の軒先では夕方の涼しい風の中、ランニングシャツ1枚で眠りこけているおっさんがいる。

ウルグアイには何もなかったが、それが良いと感じた。