宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

ロンドン。




ロンドン、ヒースロー空港から街へ向かうまでの地下鉄。
車内には多種多様な人種が混ざり合っていた。
白人、黒人、インド人、東洋人、東南アジア人、インディアっぽい人。
あたりまえだが皆ごく当然のように混ざり合っている光景に少し驚いた。
ギターを弾くおじさんが陽気に車内に入ってくる。
スピーチをかまして数曲奏でる。
乗客は無関心を装うもの、拍手するもの、リズムを取るもの、鼻歌を歌うもの、様々な反応を示し、おじさんの帽子にコインを投げ入れる。
なんかかっこいいなあ。ロンドン。

こう思うのは田舎者な証拠なのだろうけど、忙しそうな中に、ユーモアを許しているような雰囲気を感じて、うらやましくも思った。

全く違った雰囲気を感じたのは、フットボールスタジアムでだった。
アーセナルエバートン
ピカデリーサーカスのチケット売りは、この試合に100ポンド(約19000円)の値をつけていた。ダフ屋を根気よくあったてみても、120ポンドを下らない。
開始直前に駅前でたむろしている兄ちゃんから購入した80ポンドの席は、アウェーであるエバートン側の席だった。
周りは悪そうなガキらや、スキンヘッドの兄ちゃんたち、酔払って赤ら顔のおじさんたち。
そして始まった最高の雰囲気と最悪のブーイング。
初っ端から

ファーーーック!ファック!ファック!

それしか聞こえない。
エバートン一点先制!

ファーーーーーック!!!

なんで?

ハーフタイムはビール飲んでお祭騒ぎ。数万いるアーセナルファンに向かって熱心に中指を立て続ける。
後半立て続けにアーセナルが得点しあっさり逆転されるとエバートンサポーターは実力行使に出る。
フェンスを乗り越えて殴りかかろうとする者や備え付けのイスを破壊しにかかるもの、手洗い場でしょんべんする者など、もうむちゃくちゃ。
場外ではストリートファイトが始まり、紳士とはほど遠い。まさにフーリガンである。
巻き添えを避けるために足早にスタジアムを後にした。

世界でも最大級であろう大英博物館は入場無料だった。
そして収蔵品は世界のあらゆるものに及び、植民地支配時代に手に入れたものなのか、どこかから買い取っているものなのか、凄まじい数なのである。
3時間ほどでまわろうと思っていたのだが、そんなシロモノではない。
3日ほどかけてまわれるでかさであった。

ピカデリーサーカスは、まるで新宿やら、渋谷を思わせるようなネオン街であった。
そこを観光バスがひっきりなしに通っている。
相変わらず人種が多様で、聞こえてくる言葉は英語以外のものが多い。
そして旅人たちもロンドンを目指す人が多い。
あるプロミュージシャンの旅人は、ここで再起を図ろうとユーラシア大陸を横断していた。
歴史の中心であったロンドン。
なんだかひたすらかっこいい街だった。