宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

ソフィア。初ヨーロッパ。




人生初ヨーロッパ。

ついにブルガリアに上陸である。
ようやくみなさんの顔付きが[欧米系]になっていること、そして年頃の兄ちゃん姉ちゃんがトラム内でチュッチュと乳繰り合っているのを見て、ああ、俺はヨーロッパにやって来たんだなあ。と実感したのである。
ほんの2週間前までは真夏日寄りであったのに、ブルガリアに入った途端ジャンパーのお世話にならなければならない。
鉄道の駅も、メインストリートも、どことなく退廃的なムードただよう首都ソフィア。
イスラム圏内をほぼ抜け、セクシ- な女性の看板が目につくようになり、アザーンも聞こえてこなくなる。
パチンコ屋みたいな感覚でカジノがあり、路面には堂々とストリップの店があり、なぜか[セックスショップ]もやたらある。
とは言っても日本を超える風俗国家はまだ見てないけれど。

市内にこれといった観光の大目玉はない。俺にとっては。
共産党の本部がでかかった、くらいか。
観光客の数もエジプトなんかと比べたら雲泥の差ではないだろうか。

とはいえ、そんなに居心地は悪くない。
街の人たちから声をかけてくることも少なく、シリアのように写メール撮られることもないし、バカみたいに[チンチョンチャン!]とかも言ってこない。
それはそれで寂しい気もするが、久しぶりにフラフラしていても放っておいてくれるのが心地よい。

ソフィアから120キロほど離れたところにある世界遺産、リラの僧院にも行ってみた。
山の奥深くにある。
1000年ほどの歴史をもつ僧院らしいのだが、19世紀に火災にあったため、建物自体は比較的新しく感じる。
そこの博物館にあるラファエロの十字架の装飾、というか彫物は見事であった。
しかし自分にとっては深い緑の山々や紅葉、バスから見えた小さな村の蒲萄つみ。馬車に引かれて農道をのったりとゆく農夫。
いままでとは少し違う景色を楽しんだ。
夜はピザとビールとワインで談笑という、これまた今までとは少し味の違う楽しみ方で夜を過ごした。