ぺトラ。馬鹿でかい遺蹟を歩き回る。
ヨルダンに再入国してからは遺跡めぐりが続いた。
かの有名な世界遺産、ぺトラと、ローマ時代の遺跡、ジェラシュだ。
ぺトラはヨルダン南部、イスラエルに近い山岳地の合間に隠れた秘密都市。
なんでもあのインディージョーンズで有名らしいが、俺は知らない。
前日レストランに居合わせた日本人たちから2日券のあまりを半額で譲ってもらってゲートへトライ。
ダハブから行動をともにしている4人で突撃するも、
「1日券買うか、ポリスに行くか、どっちがいい?」
なんてライフルを構えられちゃあ、1日券を買うしかない。
1日券3500円。いい商売しやがる。
ゲートをくぐり、20分ほど高さ20メートル、幅5メートルほどの切り立った岩山の間を抜ける。
時折馬の足音が谷に響き、なかなか雰囲気をかもし出してくれる。
突然目の前に巨大な寺院が姿を現す。
岩山を切り崩して造られているそれは、紀元前1世紀から後2世紀ころのシロモノ。
でかい。かっこいい。美しい。
そこを抜けてゆくと、本格的に市街地の様相を呈してくる。
ローマ劇場があり、広場があり、墓がある。側面の岩山には人が住んでいたのであろう住居穴が不規則に並んでいる。
印象的だったのは神殿や教会跡の真ん中を貫いている街道で、そこに敷かれていた石畳は長い年月をかけて角がなくなり、ツルツルになっていた。
街道に沿うように運河跡が横たわる。岩山に這うように用水路がめぐらされている。
そこから2000年前の生活の模様を想像する。
すごい遺蹟だった。
でも3500円は高くねえか?
山の頂上のほうまで登り、4人で昼飯を楽しんだ。
1人で周るのも浸れていいのだけど、やっぱ4人もいると楽しいもんだ。
アンコールワットのときなんぞ、3日間すべて1人だった。
団体さんに声をかけることもできず、さびしくセルフタイマーで自分撮り。そのシーンを見事に団体さんにみられ、冷笑を買った。あげくカンボジア人のおっちゃんに「撮ってやるから、そこに立ちなさい。」とか言ってもらう始末。
あれは少々寂しかった。
しかし全体で見れば、人との出会いが途切れない。
気がつけばアドレス帳には60人を超える人たちのメールアドレスが書き込まれていた。
みんな面白いやつばっかり。人種もさまざま。
これは旅の醍醐味だろう。
写真1 最初の神殿。かなりでかい。
写真2 なにかと評判のよろしくないベドウィンの兄ちゃんたち。でもお茶とパンとシーチキンくれた。
写真3 こんな感じの山間にある。