宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

死海。ほんとに浮きます。




いくら塩分濃度が濃いからって、そない浮かへんやろう。
 とたかをくくっていたが、入水してみるとまるでアメンボにでもなった気分である。

 死海へ行ってきた。
 アンマンからタクシーで1時間半。日本人5人でチャーターする。
 海抜はマイナス400メートル。抜群に暑い。
 車はホットプレートみたいになった大地を駆け下りると、陽炎の向こうに大きな湖がうっすらと見える。
 その向こう岸はもうパレスチナだ。

 連れて行かれたところはえらいリゾートなプライベートビーチで、2000円近く払って入場すると、まず目の前に大きなプールが目に入る。その下には塩湖である死海のビーチが広がっている。
 強烈な日差しで水は蒸発し、浜辺には白い塩が点々としている。
 塩分が強すぎるため、生物は生きられない。
 どれどれと少しなめてみると、舌がしびれるほど苦い。
 同行した大学生のD君。

 「俺、犬神家の一族やりまーーす!!」
 といって死海へダイブ。
 シンクロ選手のように足を水面へつきたてた。
 2秒後彼の目は真っ赤に腫上がり、悲惨な嗚咽の声が死海に響いた。
 足の立たない所までいくと、まるで「釘」のように浮ける。
 足に傷のある自分は10分と入っていられなかった。

 リゾートビーチには日本人も多く、某松○電器の社員さんとか、商社っぽい人とか、会社の盆休みの休暇で来ている感じの人が多かった。
 250円のアイスクリームにビビる貧乏人には少々場違いだったが、つかの間のリゾートを楽しんだ。