宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

プリー。インド飯。


インドでは手を使ってご飯を食べる。
カレーも、手で食べる。
汁モノを手で食うなんぞ、ちょっと考えられなくて、いつもスプーンを使っていたのだが、ちょっと考えに変化が。
体調を少し崩して、それまでは平気だったインド特有のパサついた、味気の無い米がもひとつ喉を通らなくなっていた。
その日の昼食はカレー。例の米もついてくる。前に座っていた同い年の作家兼旅人、ユウ君がおもむろに手でカレーをすくって食べ始めた。
ユウ君もインド人も、まず米にカレーをダ~っとかけて、手で練りこねるようにして、体温と同じくらいになるようにすこし時間をかけて米にカレーをなじませてゆく。
「こうすると全然違いますよ。」
という言葉のまま試しにやってみると、

これが美味いのだ!

同じモノなのになんで味が違って感じるのか。人が握るおにぎりみたいなものなのか。なんにしても手から伝わる温度感と触感、しっかりとカレーになじんだお米。
手で食べただけでかなり違う。

どうやらインドの白米は、日本の白米と勝手が違うようだ。日本の白米はそれだけでもガツガツ食すことができるが、インド人の場合、白米だけで食うことは無いのだそうだ。

ちなみに左手はご存知の通りトイレット用であるので不浄とされているらしい。
周ってきたアジア圏の多くがそうであったように、インドも紙は使わない。
バケツに水を張って、ひしゃくのような物を右手に持ち、左手でお尻を洗い流す。
慣れればこれもかなり快適。万年ウォシュレットである。

そのため食事中に左手はほとんど使わない。右手だけで器用にすくって食べる。
そして食堂には入り口やテーブルから近いところに洗面台があって、そこで手を洗う。町の雑踏と違い、清潔な人が多い。
そうそう、清潔といえば髪の毛もきちんと整えている人が多い。日本人バックパッカーの独特な長髪を見ると切りたくなるのか、ある散髪屋のおっさんは日本人と見るやしきりに手招きしていた。

 27日の列車の切符が取れた。次はいよいよバラナシである。あまりに高名なガンジス川の沐浴、最近でいえば誰だったか忘れたけど有名女優主演ドラマ「ガンジス川でバタフライ」でしたっけ?出発前にそんなのも放送していた。
 旅のことがよくわからなかった出発前、とりあえずこのバラナシへは行ってみようと漠然と思っていた。
 どんなもんか楽しみである。