宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

圧巻のアンコールワット。




いってきたっす。アンコールワット

一言でいってしまえば[凄い!]でした。単純。
シェムリアップからバイクタクシーで20分、チケットを買いさらに進む。大きな通りはきれいに舗装されており、世界遺産の貫禄とカンボジアの気合の入れようを感じる。しばらく走ると見えてきた!でかい!
思ってたよりもかなり大きい。
 実はアンコールワットとは、ひとつの遺跡を指すもので、周りにもそれに勝るとも劣らない遺跡群が存在する。それらを総称して、「アンコールワット」と呼ばれているようだ。
 実際歩いてのんびりまわっかなー。なんて考えてたけど、とてもやないけどムリやね。バイタクのソフィア君がまず連れてってくれたのは、アンコールトム大きな城壁を越えてその敷地へ入る。まずバイヨンという、須弥山に模した遺跡へ。周りのレリーフが物語性があって面白い。
 その敷地内には旧王宮の跡地や、ほとんど修復されていないブリアビトゥというほこらのようなところをまわった。ここにはほとんど観光客は来ておらず、かなり独り占め気分が味わえる。またほとんど修復されてないせいか、無造作に石造なんかが転がっている。時折日陰に座り、じっくりとその雰囲気を味わった。
 午後はまずタ;プロームというまわる1186年頃に建設された仏教僧院とういうその遺跡は圧巻だった。それはまるで、天空の城ラピュタみたいなのだ。800年間放置され、遺跡に大木がまとわりつく。遺跡を森が食っている。そんな感じの遺跡だ。
 そして最後にアンコールワットだ。アンコールワットは、それまでの建物の集大成として建設されたものらしい。当然ながらツーリストの数も半端ではない。今日は韓国からのツアーの人が多かった。その間を縫って、外ぶちのレリーフをじっくり見てまわった。それぞれの壁面にはインドの神話が描かれている。これがまた面白い!おびただしい数の兵士や、動物や、神が描かれていて、それらの表情は一様に違う。アンコールワットは、中央へたどり着くまでに三重ほど堀や、壁で囲ってある。あるときは中央塔がみえ、あるときは隠れる。視的効果を狙ってのもので、意図して造られたらしい。遺跡内はとても広く、ときおり休憩して石段にこしかける。フッと、まったく人がいなくなって、耳を澄ましても鳥の声と、風の音しかしないような瞬間があった。それはほんとうにその時代で生きていた人間かのようにあたりが想像できた。それは贅沢な時間だ。
 その時代、宗教、建築物、芸術を組み合わせて観てゆくと、本当に当時の世界は今よりも広かったんだなあと感じことがある。仏教なんて前4-5世紀に発祥して、日本に伝来されたのは6世紀。1000年かかってるん。今だったら平安時代に出た思想が現代につたわるみたいなもの。昔はひとつの山を越えるとそこは宇宙だったわけだ。一瞬でも頭の時間軸をアンコール時代へ合わせてみる。それは本ではなかなか出来ない経験だ。
 
 ツアーだと、広い敷地をあわててまわることもあるだろう。しかし個人の場合は、ゆっくり、じっくりまわれるから良いのだよね。ガイドさんがいたほうがいい事も多いけどね。
 結局アンコールワットだけで3時間も滞在してしまった。最後は夕焼けに照らされる本堂をみて引き上げた。
 明日、あさっても、いろんな所へまわる予定だ。でもバイクタクシーって、ちと危ないんよね。メットみんなせんし、道ガタガタやし、タイヤズルズルやからね。それに一人は金が少々かかる。複数だと移動費をシェアできるし、安全性も高いしね。