宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

家族。

カオサンの古本屋で買った、重松清の小説を読んでいて、ふと家族のことを考えた。

父、母、妹、自分の典型的核家族の家で、俺は10年近く、大学と仕事のために実家を離れていた。親父はサラリーマンで、おかんは教師。ごく普通の家庭。
旅をすると決めて、会社をやめて、一人暮らしの家を引き払って実家へ戻った。それから10ヶ月ほど再び家族4人で過ごした。久しぶりに実家に帰って両親を見るとなんだか歳くったなあと感じ、妹を見ると、しっかり自分の方向性を見出していて、それに向かって突っ走っていた。
10年近いブランクは、俺に少し大人の見方を与えてくれたような気がした。
そして親父がこの3月で退職する。一つの会社で30年、働き続けるのはどれほど大変なことか、社会人を経験して、身にしみて思った。引退後、体にきをつけてもらって、旅の話を肴に、酒でも飲みたいもんだ。
妹も、今月いっぱいで就職する。東京での初めてのひとり暮らしだ。こんなぶらぶらしてる兄ではあるが、夜道をぶらぶらして、危ない目なんかには遭わないでもらいたい。
母はあと1年、教師の仕事をする。息子からみればけっこう熱血さんで、このご時世にはなかなか貴重な存在である。最後のハッスルを期待してやまない。

もう、こんな長い期間4人で過ごすことは、おそらくないであろう。思えば準備期間の家族と過ごした10ヶ月はいろんなタイミングが重なって、ぽろっと溢れた時間のようであった。
普通やけどファンキーな家族。この存在なしには今の自分はいないわけだ。

家族と、皆様のご健康、ご武運をお祈りします!(宗教とかじゃないです。念のため)