宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

熱狂のスタジアム。



朝の7時にチェックインして、朝の10時には外へ出た。ムッとする暑さ。日差しがきつい。カオサン通りにはなんでもあると聞いていたけど、ほんとにそう。探していた東南アジアのロンリープラネットと、さらに地球の歩き方中東編を手に入れた!欲しかったものが15分で見つかった。御機嫌でそのままナショナルスタジアムの近くで時間を潰す。
15時になってもほとんど人気なし。マクドで飯食って17時、まだ人がいない。おっかしいなー。朝おっさんここでやるってゆってたのになあ。
たまらずバイタクの兄ちゃんに確認。
[ここで、タイ対バーレーン、やるんちゃうのん!?]
[えっ!?ここちゃうでもっと遠いスタジアムやで。]
[まじでか!?]
[乗りな!]
って具合でバイタクにまたがった。兄ちゃんもはりきってくれて、凄まじいスピードで突っ走る!高速を抜け、渋滞の車の間をすり抜けて。気を抜いたら俺が死んでまうような、そんな恐怖のドライビング。
バイクで約25分、でっかいスタジアムへ到着した!5時15分。18時30分キックオフなので間に合った!すでにあたりはタイのサポーターでお祭騒ぎ。警備員のおじさんにチケット売り場の場所を聞き、20分並んでチケットを手に入れた。510バーツ(1500円ちょっと)とすこし値が張ったがなんにしてもチケットを入手したのだ。席は指定になっている。すでにスタジアムには黄色いユニフォームを着たタイ人で埋まってきている。
試合が始まるにつれて、観客のボルテージが上がってくる。タイチームはホームでは大歓声を背にしてめっぽう強い。観客が一体になって何度もウェーブを起こす。
試合が始まった。
オマーンボールでキックオフ。大きくタイ陣営へけり込んだ。タイDFがお見合いしてするりとボールが抜ける。走り込んだオマーンの選手がセンタリング、真ん中の選手が合わせてあっさりオマーン先制。開始20秒。
あっけなー。観客もえーーって感じで静まり返る。でもすぐにまた大きな歓声を送り始めた。
そこからタイの猛攻がはじまった!オマーンは守備力が良いが、細かなパスとドリブルで崩しにかかる。
シュートがバーをたたき、観客は総立ちで頭を抱えた。タイのチャンスは続く。守備を固めるオマーンは防戦一方。幾度かのチャンスをものにできず、前半を終える。
後半も圧倒的にタイが攻める。右から左からセンタリングの雨あられだ。タイがコーナーキックを蹴るたびに、[タイランド!タイランド!]と大歓声がおこる。
後半30分、ふとしたスキを狙ってオマーンのカウンター攻撃。最終ラインのタイのDFは振り切られた。キーパーと1対1になる。オマーンがシュートを放ち、キーパーをかすめて無人のゴールへ。
ボールは[パーン]という大きな音と共にバーに弾かれた。まだタイの運は尽きていない。
必死の攻撃が続く。選手をかえてさらに攻撃陣の層を増やした。オマーンは執拗に時間稼ぎに走る。
ロスタイム、5分もある。タイの攻撃は続く。ゴールが遠い。
最後の攻撃。大きくセンタリングをあげた。ボールがこぼれてタイ選手の目の前に来た。前はキーパーがいるのみ。しかしトラップがうまく行かず、シュートまで持ち込めない。観客の大歓声はため息に変わった。
試合終了。1ー0、オマーンの勝利。日本が負けたため、このグループは混沌としてきた。
観客は悔しそうに席に沈み込んだが、すぐに大きな声援と拍手を選手に送った。いい試合だった。そして、大事な試合に負けても、そこまで悲観的にならずに選手に大声援を送るタイ人の性質をすこし垣間見た気がした。けっこうおおらかやね。
タイが、負けてしまったのは残念だったが、日本の試合とは違う、すこしお祭り的な雰囲気を味わえたのは本当によかった。かなりの満足感を得て、カオサンへ戻った。
夜のカオサンもかなりのお祭騒ぎ。みなビール片手に浮かれ気分。そんなのにどうも馴染みきれない俺は、缶ビールを買って眠った。