宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

メコン川で乾杯。




朝の6時半、中庭君と別れ、フエのホテルを出発した。ベトナムでは最後まで金にまつわるトラブルだらけであった。あの強欲さは、ちょっと引く。いい人も多いのだけれども、それ以上にむかつくヤツが多かった。率直なところ。とりあえず、最終的には[金]である。大きく騙したり、危害は加えないが、小出しに金をかすめ取り、親切心の裏手をとる。俺はそんなやり方が大っ嫌いだ。
最後まで、ベトナム人を好きにはなれんかった。いちいちファイトすんのもめんどくさい。もちろん、そんな人ばかりではないのはわかっているが。この国はお金を節約しようとしているバックパッカーには不向きだ。大枚はたいて遊べば、この国の人間はひいこらしてくれるだろう。お金使って優越感味わいたければどうぞベトナムへ。ちと過激な意見だが、俺の主観。
とはいったものの、憎み切れないベトナム。次に向かう、ええ勉強をさせてもらったと思う。なんとなくあの奥手な感じ、はにかんだ笑い、ちょっと日本人に共通するかもしれない。まだまだ測りきれない国。この訳分からん国、もう一度訪れてみたいとおもう。

そんなこんなで割っていない窓ガラスの請求をされ宿の人間に[アホか!!]とか言いながらも、バスは国境へと向かう。小さなワゴンにはロシア人が5人とスウェーデン人が3人、ベトナム人が3人、そして俺。国境のイミグレーションを歩いて渡る。ロシア人とスウェーデン人はビザ取得に手間取っている。日本人の俺はノービザなので、入国カード書いてそれでしまい。ほんと、日本人は旅しやすい。
国境を超えると大型バスへ乗り換えて200キロほど離れたサワナケートの街へと向かう。気持ちはすでに次の街だ。窓の外を眺めてみると、ずいぶん風景が変わってくる。交通量は激減し、排気ガスのスモッグもなくなった。家の密度もぐっと減る。家は高床式のものへと変化して、子供がすっぱだかで走り回る。
わずかの距離でこんなにも変わるもんなの!?ものすごくリラックスしてゆくのが分かる。4時間ほどでサワナケートへ到着した。バス停のすぐそばはメコン川だ。対岸はもうタイだ。その雄大さに、おもわず[すげーー]とつぶやいた。
サワナケートは、中部では中心の街のはずだが、えらい小さい。街やラオ人も、どこか日本の田舎を思わせる。目があっただけでほほ笑みかけてくれる人が多いことに驚いた。ああ、マネーなしでやさしくされんの久し振り。
一泊5ドルのゲストハウスに部屋をとり、街を散策した。ほんとうに、のんびりしている。夕暮れのメコン川へ歩いてゆき、ビールとツマミで贅沢な気分にひたった。
ごめん、中庭君。あんたが[ベタですよね]って言ってたこと、おもくそやってもたーー!

メコン川に映った夕陽があまりにきれいで、疲れがいっきにぶちとんだ。これだけでも、ラオス来てよかったわあ!