宿屋の店主、日々のつぶやき。

旅好きが高じて宿を開業、自由な時間を求めて今日ももがいております。

魔都、上海へ。




 朝6時、家を出発しました。奈良は刺すように寒く、雲間から見える朝日はいつもと違って見えます。親父が通勤前に、関空へ乗せてってくれました。親父は3月で退職です。ちょっと変わった親父で、まじないごとなんかも全く信じないほうなんですが、前日に赤マジックで塗った100円玉をよこしてきました。「この100円ひろた時からワシつきまくっとんねん」というよろしいコインらしく、間違えて使わないように赤色に塗ったんだそうです。今年で定年。特に親孝行はしてこなかったので、ちょっと申し訳ない気持ちになりました。

 空港で前日できなっかた両替です。50万の現ナマは持ってるだけで恐ろしいですが、それを4万円分の中国元、10万円分のUSドル、34万分のT/Cに換える。大金を握り締めて冷や汗が止まらん。50万で狼狽する俺はやはり小心者でしょう。あ、あと飛行機の離着陸のときもドッキドキしますね。
 まだまだワンパクなので窓際の席を取ったら、便所へ行きづらい。アレが近い人はぜひ通路側をおすすめします。
 小さくなる日本、茶色の中国の大地を確認したときは、旅が始まったことを実感しました。飛行機は無事に着陸し、入国もいたってスムーズ。そして上海浦東空港から、リニアモーターカーを利用しました。これ、なんと時速430まででるんです!新幹線は200キロ台だから、その速さが分かります。速すぎて、よーわからんです。あげあげ上海。やるな。

 まずは伯母のアンティークの店を訪ねました。場所は豫園という観光地の近くです。伯母は2日後に上海に来るので、それまで伯母のマンションを占領です。お店の店長さんに連れられてきたマンションは、ごっつすぎでした。部屋は結構なホテルのツイン並、窓からは上海の街が望めます。夜は夜景がよく見えます。部屋も5つくらいあり、風呂場も2箇所という豪華さ。なんちゅーとこ住んどるねん。上海はホテルがかなり高く、かなり安いホテルでも4000円から5000円はします。それを思うと、ツキまくりです。順調なスタートやなあ!

 店長さんは28歳の女性。俺より若い。それも驚き。なんでもここの店をオープンするのに、自ら店長に立候補したのだとか。カッコええ女性です。
 彼女が近くの露店で麺を食わせてくれました。スパイーシーなカレーのようなスープにきしめんのような麺。そこへ牛肉と目玉焼きを放り込む。こしがありかなりおいしい。一杯4元(70円)。おごってもらいました。

 その後一人で豫園周辺を散策。人がひしめき合い、日曜日の日本橋(大阪の)を思わせるような感じです。いっぽん路地を入れば、「中国」って感じの市場が軒をつらねてます。目の前でぶっ殺されて血抜きされるニワトリ、ぴちぴちのところを一刀両断されるコイ、明らかにパチもんのアイポッド、香辛料の匂い、やたらクラクションを鳴らす原付、舗装されてない道路、つかない信号。どれもこれもアバウトさがあって、「細かいこと気にすんなや!」って感じが好印象です。

 これは楽しそうな街です!このまま突っ走ったら、この街はどうなるんだろう。起こりそうな問題にフタをして突っ走っていきそうな街。上海は、なんだか楽しいです。


リニアモーターカー  50元 (約750円)
タクシー       30元 (約510円)
コンビニでパンとカップラーメン   7元(約120円)